いろいろとマイナスポイントもあったけど、それを上回るテーマときれいな終わり方だった
 最終話でNT論がおこり、ファーストニュータイプであるD.O.M.Eが「ニュータイプなんてのはただの幻」と断言している。しかし作中でのフロスト兄弟のテレパシィやフラッシュシステム、ジャミルの「確かに刻を見た」発言やティファの力から、これは「そういった超能力的なものはニュータイプの側面であり、本質ではない」という意味なのかと感じた。というかそうでなきゃ作中のD.O.M.E含めたNT描写全部超能力になってしまう。もっとも本人は「たまたま自分だけが持ち合わせた力であり、自分が消えると同時にNTの概念も消えるべきだった」とか言ってるので、ひょっとしたら本当に超能力なのかもしれない
 宇宙世紀ファンの間では大論争になったらしいNT論だけど、個人的にはこの作品ではそうなのねぐらいにしか。それよりも作品世界がずっと印象に残った。戦後間もない荒廃した時代に、未来を切り開くためにガンダムに乗る少年(最初は脱走したり売ろうとしてたけど)と特別な力を持つために狙われる少女のボーイ・ミーツ・ガールはわかりやすく楽しめたし、「特別な力なんてなくても、自分の意思で未来は変えてゆける」という決着は好みだった。ガロードだけでなくティファの成長も見どころ
 しかし微妙な点もあった。単純に戦闘が地味というのが一番にあがる。まぁ直近に見たガンダムがGやWだからというのもあるだろうけど、レオパルドは変態機動と弾切れをなくしたヘビアで、エアマスターは可変機構だけ、GXも作中ではハモニカぶっぱぐらいしか記憶にないし、X,DXもぼこぼこにされてるシーンばかりだった気がする。サテライト全然撃たないのはそもそもMSに向ける武装じゃないのと、その絶大な力にためらいを感じたシーンがあったから妥当。記憶に残った戦闘といえばDX初出撃と対カリス戦かなぁ…カトックさんのかっこよさやBRも持たずMS隊を単独撃破したシーンはかっこよかった。リアルといえば聞こえはいいけど、もう少しアニメちっくにしてくれたらもっと記憶に残ったはず
 あと同じ展開が多い。後ろからオルバがX(DX)を拘束→今だよ兄さん!→横から誰かしら援護で妨害を片手じゃ足りないぐらい見た気がする。とにかくMS戦に華がなかったな…その分キャラで補ってたけど。名前覚えてないけどフリーデンの医者とかかなりかっこよかった。あとパーラ可愛い。とはいえキャラの魅力も他と比べちゃうと地味なのは否めない。全体的に地味なんだよな…作風だから仕方ないけど
 しかし宇宙でのティファとの再会や最終話など、ストーリィは間違いなく好みだった。好みだっただけにこまごました点が惜しく感じてしまうのかも
 
 

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