ARIA The BENEDIZIONE

2021年12月18日 映画
 これで終わりなのが悲しい
 最終章は藍華と晃さんを中心に姫屋のお話。個人的には一番シナリオ好きだったかな。過去を振り返りつつ現在のお話を進めて未来へ目を向けるって一連の流れが一番自然に作られてた気がする
 前作前々作に比べて圧倒的に主役への焦点が厚く、ほとんど藍華と晃さんの過去の話で進行していったのは、60分でこの話作るならもう主役2人に絞らざるを得なかったんだろうなと納得した。晃さんがあまりに美しく男前すぎて夢小説みたいだった。実は3人娘のなかで一番こじらせて不安定と噂の藍華だけあって過去はそれに輪をかけた難しさなのに、ことごとくイケメンムーヴで心を通わせて最終的にずっと追いかけてたとまで言わしめる手腕は惚れるわこんなんってなったよ
 伝統あるゴンドラを呪いと言い捨てて受け継がないと言った序盤では最終的に考え直して受け継ぐのかなと思ってたけど、伝統を受け継いでバトンを渡すだけでいいのか、それなら私である理由はなんだと考えてしまう呪いが自分の中にあって、過去を受け継ぐのではなく自分が伝統の始まりになりたいってはっきり言いきったのがなるほどなぁと感心した。凡才で粗悪品でなんて卑下してたのが立派になってまぁと晃さんの気分だった。アリシアさんに憧れてウンディーネを目指したけど、晃さんを師匠に持つことができたのが本当に大きな幸運だったし、晃さん自身も救われたんだろうな
 お約束のタイトル表示、お約束の会話、そして全編通してシリアスを含めつつも優しく暖かな世界と、ARIAとは何かを外れないよう細心の注意を払ったんだろうなぁと思わせる素敵な作品だった。エンディングロールの1期からの映像振り返りつつウンディーネ流すのは反則だよこんなの感動するに決まってんだろみたいな謎のハイテンションで感無量だった
 いつまでもこの世界に浸っていたかったなぁ…やっぱり最後の最後にARIAカンパニー編やったりしません?
 

将棋のお勉強

2021年11月27日 将棋
 ルールだけは知ってる将棋を流行りにつられて勉強してみる
 なんとなく居飛車って響きに憧れてるけど、序盤の変化と覚えなきゃいけない戦型多すぎていやーきついっす(素)
 なのでとりあえず三間飛車あたりを勉強してみることに。相手の動向にあまり左右されず陣形を組めるってのは助かる助かる
 今はよわよわCPU相手に苦戦するレベルなので、もう少し上達したら対人戦もやってみたいですね

キャンサー杯

2021年7月27日 ゲーム
 一生スカイと仕上がったエルエルに勝てないゲームに絶望的挑戦
 一応A決勝までは決まったんだけど、まぁ無理よこれ。最初から最後まで1位キープし続けて競り合いにもならんレベル。いろいろ情報仕入れて育成もしてみたんだけど、難しいね…
 さっさと決勝終わらせて他の子育成しなおそう。最近チムレも勝率下がってきちゃったし

サマーセール

2021年6月26日 ゲーム
 まーたまたまた積みゲーが片付いてないのにサマーセールでどっさり買っちゃったよ!学習しないね!
 slay the spireとかいうゲームがかなり時間もってくらしいのでこれを筆頭に外国語のノベルゲー訳しながら消化するだけで年単位で時間必要だろうに次のセールでも多分何かしら買うから積む一方だね。なんなら今回のセールすらまだ買うかもしれないし
 FF14とヴァロラントも始めていよいよもって時間が足りないから仕事辞めてもすごしていける金が欲しい

ウマ娘4

2021年4月29日 ゲーム
 チームレースクラス5に一回落ちて、えいやと奮起して再育成
 中距離のテイオーがとにかく不安定だったり短距離ダートが数合わせすらできてなかったのを、上位陣のステを真似たり因子で強引に適正あげて登用したりしつつ、ポイントを稼げるようにスキルも伸ばしていった
 結果として格上に上振れて52万強稼げたので、当面は維持できる…と思いたい。もしかしたら維持ラインの上昇が異様に早いかもしれないけど、その時はまた勉強しなおそう
 しばらくは因子ガチャの方に専念したいので、根性以外をB以上にする因子用育成に舵を切りたいところ。自前でスタやパワー9因子用意できるととても捗りそうなので、まずはこれを意識しつつチームレースで稼げてない子を見定める期間としよう

ウマ娘 3

2021年4月8日 ゲーム
ウマ娘 3
 毎日コツコツ遊んでいずれはAランを…とか思ってたのに気がふれてブラック完凸してしまった
 目に見えてステの伸びが変わってAランもそれなりに作れるようになったし、チームレースもクラス6へ滑り込めた。こっちは次で降格しそうだけど
 なにより目標達成できなくなって終了がなくなったのが非常にはかどる。チームレース用に上位陣の育成参考にしてるとどうしても手持ちサポの質から無理が生じて、途中でこれだめなってなることが多いんだけど、そんな時でも因子ガチャのためのBキープに余裕ができたのもよい
 勝率は悪くないけどポイントが稼げないのが痛いところなので、一回達成報酬もらえたししばらくはクラス5維持しつつのんびり因子回しつつマニー稼いで、地道に強化に努めていくしかないかなぁ。なんにせよ15人埋まってない時点で厳しいだろうし、副産物の大量の完凸SRも手付かずのばかりだからそっちも育てられればまた育成の質も伸びていくだろう
 とりあえず現在のメンバーはこんな感じで、マイルと長距離は大体よく勝ちよく稼いでくれるけど、中距離がかなり不安定でここ安定するようにしたいんだけどスピスタパワーのバランスが難しい…ダートもちょっと苦しめ。短距離は育てなおしたバクシンオーがよほど逃げ対策されない限りは1位とってくれるけどキングが若干劣る育成なので育てなおせば安定して稼いでくれる予感

ウマ娘 2

2021年3月26日 ゲーム
 育成のコツがわかってきてシナリオクリアは安定するように
 そうなると自然目を向けるのがチームレースになるのだけど、これが結構難しい。自信満々でお出しした娘が5位で終わったり、相手のステと比べてそう変わらないのにこの着差はなんだと首をひねったり
 しばらくは上位陣の育成方法を参考にしてみよう。サポカの質が違いすぎて完全には真似できないのでエッセンスだけでも
 ナイスネイチャかわいいよナイスネイチャ。ゴルシはなまじ1回目の育成が上振れでうまくいきすぎて次育てても越えられる気がしない

ARIA The CREPUSCOLO

2021年3月11日 映画
 ARIAがまたしても映画化ということでえんやこらと映画館へ。クソカッペランドゆえ扱ってる映画館自体少ないから遠いんじゃ
 平日の夕方だからか人は数人ほど。周囲の物音気にせず集中できたのはよかったけど、売り上げ自体が低いのならいやだなぁ
 映画自体は前作同様、映画特別というよりは本編の延長のようなお話。アテナさんとアリスちゃんの関係に主眼を置いていたため、ついにアテナさんに新声優がついた
 始まった瞬間広がる風景とBGMであぁこれだこれと顔がほころんで、昔に戻ったかのようないつもの掛け合いとギャグ顔、そして未来に進んだからできるお話と展開。期待していたものがしっかり描かれていて大満足だった
 残り2社のお話もこんな風に見たいなぁ…と思っていたらスタッフロール後に新映画の宣伝が!この時は思わず身を乗り出しかけた。前作はアリアカンパニーというよりはARIA自体をテーマにしていたので、これは次作姫屋のあとに最終作のアリアカンパニー編が待っているということでよろしいか…?どちらにせよまだまだ展開があるというのは非常に楽しみだ
 今回のOPEDは牧野さんは担当されなかったが、特にEDのechoesがめちゃくちゃ好みドストライクですっかり聞き入ってしまった。フルでしっとり聞きたい
 特典のコースターは灯里とアイちゃん。これだったら特にうれしいなと思っていたから最後まで大満足だった

ウマ娘

2021年3月1日 ゲーム
 話題になってたので釣られてダウンロード。面白い
 育成ゲーって全然やったことないしこれ以前のウマ娘についても一切触れたことなかったんだけど、すんなりプレイできた
 右も左もわからず見た目でゴルシ選んでしょっぱい結果になり、スレ見ながらコツコツ勝手を学んでダスカで有馬敗退、ウララでufa予選敗退と育て方を学び、初心者はこれと噂のバクシンオーでufa優勝。ほぼスピード一辺倒なのに最後まで気持ちよく駆け抜けてくれてハラハラしつつも楽しかった
 いつまでハマるかわからないけど、とりあえずゴルシダスカウララを優勝させてあげたいなぁ…とは思ってる
 カルドハイムを機にMTGに復帰。過去に積み上げたWCとシールドやってたまったレアでデッキを組もうと思い、なんとなく青白コンを選択。今思うとスタートからすでに大失敗
 デッキ構成としてはよくある形なので割愛。軽量除去がガラスの棺しかないのでもどかしい場面が多く、黒をタッチしたかったが土地もレアもなかった。サメ台風と夢さらいぐらいしか強い攻め手がなかったので全体的に線が細い印象
 多分弱くはないデッキなんだろうけど、現環境のコントロールでスゥルタイ根本原理orヨーリオンを差し置いて青白にまとめるメリットがほぼないと感じた。mazemindとウギンつえーなと思って途中から採用してみたんだけど、青白でも採用できる強さではあるがマナに余裕を作れるスゥルタイで使った方が強かった
 一点有利な点としてはマナベースに青が多く、スロットにカウンターを入れる余地が広いので、うまく引ければ後半のフィニッシャー合戦で有利をとれることもあった。でも相手は序盤から土地伸ばしてドローしてを連発できるのでそもそもマナが足りなくて手数負けも多かった
 対ビートで見てもスゥルタイのほうが安定して処理できると思う。なんといってもメインからインスタント除去が豊富なのはデカい。青黒ローグめちゃくちゃ苦手な相手なんだけど、こっちなら十分以上に戦えそう
 デッキ作る前に存在を知ってたら間違いなくこっちを選んだであろう安定感と強さなので、僕のつたない構築とプレイでさらに上位を目指すのは多分難しいと思いプラチナでランクマはお休み
 MTG自体はめちゃくちゃ楽しくて毎日起動してるから、気分転換にやっすい赤単でも作って遊んでみようかな。アバターをヤヤバラードにしてるのに一回も使ったことないし

steamセール

2020年12月25日 ゲーム
 というわけでまたもsteamセールが来たのでいろいろ購入。前回の積みゲー何も崩してないのにね!
 muse dashを買って、数時間後にはDLCも購入してた。2ボタンだけなのにこんなに面白いとは…。ポップで可愛い画面見ながらリズムに乗ってポチポチするだけで自然と楽しくなってくる
 grim dawnとかいうハクスラは古き良きって感じ?のめりこむと際限がなさそうなので、ハマってるうちは末永く楽しめそう。こういうスキルだの装備だのがごちゃごちゃしたゲームって楽しいときは延々時間費やせるけど、いったん飽きちゃうともう一回起動する気力がなくなっちゃいそうだからなー
 10月シーズンかろうじてマスボ入りできたのでめでたい
 使用ポケモンはアイアント/パッチラゴン/ニンフィア/ヌオー/オニシズクモ/エアームド
 アイアントかパッチで荒らしつつ裏の受けポケで抑える意図のパーティだったのだけれど、ヌオーとエアームドが役割被ってたのでエアームドをS高いスイーパーにでもした方がよかった場面が多々あり
 オニシズクモはかなり優秀で活躍してくれた。次シーズンは厳しいだろうけど
 新環境のパーティはいろいろ考えているけど、わからないことだらけでまだまだこれから。とりあえず仮組みの6体で試してみよう
 スパボ8-9間でランクが行ったり来たり。勝率も総合5割強、スパポ区間だと4割程度になってしまった
 試行回数が少ないから単純にパーセントで見るのは拙速だけど、やっててなんか相手となんか違うな、なんかしっくり来てないなと思い始めたので、思い切ってパーティを再構築することに
 初期パーティは好きなポケモンとタイプ相性だけを見て6体選んだので、よく見直すと誰がどう機能するべきなのかまるで考えておらず、攻め一辺倒のきらいがあったので、①自分が使いたいエースポケモン②それの代わりを務められるエース裏択③相性補完できる物理受け を念頭にいろいろ検討
 5体目まではその日のうちにパッと決まったのだけど、最後の1体で延々悩み続けて1から考え直そうかとまで思い込んだほど。しかしなんとかそれらしきものを見繕ってとりあえずパーティに
 実際に回してないので机上の空論もいいところだけど、少なくとも選出と調整に明確な意図をもてたのは進歩した気がする
 意図がありすぎて役割特化になりすぎてるかもしれないので、そこは実際に対戦を重ねて引っかかるところを詰めていきたい

10月10日の日記

2020年10月10日
 ゴルフの打ちっぱなしに初挑戦
 本当に止まってるボール相手に何度も空振りをして笑ってしまったり。でもまぐれ当たりでスカッと飛ぶとこれは楽しい。立ち位置や当て方を適当に見直しながら試行錯誤してると120球があっという間に終わってしまった
 そのあとは温泉に入ったりと充実した1日だった。まるで健常者みたいだ
 友人に勧められて買おうとは思いつつも品薄で手に入らなかったスイッチを先日手に入れ、シナリオや捕獲をねっとりと楽しんでいたのだけれど、ついに対人戦デビューを果たした
 いろいろな動画や記事を読んで知識をつけたつもりではいたし、戦えるようなパーティを組んだはずだけど、3戦やっただけでもボロボロと危なっかしいところが露呈して非常に新鮮。銀以来のポケモンの身としてはまず相手の手持ち見てタイプも傾向もわからないのがだいぶやりづらかった
 しかしまぁ蓋を開ければ辛くも勝利できているので、これは参考にした育成論が優秀だったということだろう。私もあなたもガバならまだ戦えるといった具合
 根がマイオナ厨なので使用率上位のポケモンはあえて入れてない(アシレーヌとかウーラオスは最後の最後まで悩んだ)が、これからランクを重ねていくうえで知識や読みで勝る相手にどこまで食らいつけるか、怖くもあり楽しくもある
 将棋に興味持ったならおすすめと言われて視聴
 1話見た時点ではこんな美人三姉妹とお知り合いで孤独面ですか~~~?と絡みたくなったけど、話数を重ねるごとにあまりのハードさに絶句し、将棋しか持てないんだよ!という主人公の絶叫に打ちのめされた
 主人公の抱える過去や傷、棋士の苦悩など書かれる話はどっしり重いのだが、そこはシリアス一辺倒ではなく、ライバル兼親友を自称する二階堂や、ひょんな縁から主人公と交流を持ち、孤独な主人公の人生に家族の暖かさを分け与えてくれる三姉妹、高校で馴染めず友達もいない主人公を励まし導いてくる教師と、随所にコメディないし優しさをくれるキャラがいる。また、将棋を題材としながらもそうした人々との交流を通じて変わっていく主人公の成長もまたメインテーマなのだろう
 一気に見終わってしまったので、すぐに2期に行くのがちょっともったいない気分
 steamのサマーセールでいろいろとゲームを買い込む。マキオンも出るから全部終わるまでどれだけ時間がかかるやらだ
 undertale、Rabi-Ribi、428、LigeringFragranceの4本を購入。3000円超えると500円割引のキャンペーンだったから、300円ちょっとのアンテが無料通り越してお釣りが来てしまう気前の良さ。これは買うしかない。428は前から何度か名作と名前を見かけるぐらいでそこまで興味持ってなかったんだけど、80%割引となれば元の値段からしても破格なので一緒に購入。LRはちょっと気になるけど…とウィッシュリストに入れていたので値段の調整もこめてついでに購入。RRは全く知らなかったけどツイッタで回ってきたおすすめの中で複数人があげていたので買ってみた
 とりあえずアンテとRRをそれぞれ2時間ぐらいプレイ。RRはロックマンゼロシリーズみたいな感じ?ボス戦は弾幕シューティングみたいな攻撃してきてなかなか感覚をつかむのが難しい。難易度やさしめにしておいてよかった。でも動かせるようになってくるとアクションが楽しい。キャラが日本人向けの可愛らしいイラストと動きで受け入れやすかった
 アンテは流石に名作と言われ続けるだけあって、パピルス戦までやっただけでもかなり新鮮で面白い。敵を倒さなくてもの言葉通り、現時点では全く戦わずにモンスターとじゃれ合ってやり過ごせている。しかし単にほのぼの系かと言われれると全くそんなことはなく、一番最初に出会うフラウィのようなどぎつい悪意を感じさせる存在を入れたり、モンスターを倒す=殺すであることを明確に指摘したりと、プレイスタイルによって全く違うゲームになりそうな予感。トリエルをどう切り抜ければいいかわからず、強さを見せる=戦うかと思って殺しちゃったのでロードしなおしてなんとか切り抜けたんだけど、その時の主人公のモノローグとフラウィのセリフが恐ろしかった
 他にも前からダウンロードだけしていたThe Dandelion Girlもちょっとだけプレイ。本当に冒頭の部分だけだからまだ何も言えないけど、シリアスで謎めいた展開になりそうで、じっくり腰を据えて読んでいきたいところ
 steamだけでもこんなにやるゲームがあるのに、他にもやりたいことがあるなんてすばらしいことだ。あとは時間があれば言うことないんだけど
 今更素人が何を言わんやというほどの広く知れ渡った名作なのだけど、実は見たことがなかったのでようやく視聴。ストーリィも悲しくも前向きになれる美しいものでよかったし、何といっても皆演技が上手い。特にコールが特筆で、序盤の怯えておどおどした態度から終盤の年相応に明るく快活なふるまいまで見事に自然に表現していたと思う。やっぱり名作と長く伝わる作品は相応に理由があるのだなぁと再認識。これからはもっと古典にも触れていこう
 "私は獣にも劣る人間ですが、生きる権利はあるんじゃありませんか?"
 テーマは過去の罪と復讐
 オデスは娘の誕生日の夜、突然拉致監禁される。事情も何も分からずただただ過ぎていく時間の中、いつか脱出し復讐するため、備え付けのテレビで教養を深め、体を鍛えていたが、15年後、突然解放される。何故15年も監禁されたのか、誰がやったのか、真意を確かめ復讐するためにオデスはさまよう…というはじまり
 解放された夜ミドという女性と知り合い、二人でいろいろ調べていると、あっさり姿を現した首謀者のウジン。オデスは真意を知るためにあえて殺さずに過去をさかのぼり、やがて過去に犯した罪を思い出す
 学生の頃、オデスはウジンが姉と近親相姦しているのを覗き見てしまう。そしてそれを友人につい話してしまった。誰にも言うなとくぎは刺したが、誰ともなく話は広まり、尾ひれがつき、ウジンの姉はウジンの子を妊娠したとまで言われてしまい、姉は気を病み、自殺してしまう
 姉はお前の舌に想像妊娠させられて自殺したと語るウジン。だが15年閉じ込めたこと自体は復讐ではなかった。お前はなぜ15年監禁したかではなく、なぜ15年後に解放したかを聞くべきだったとウジンは笑う
 ウジンの復讐は、自分と同じ真似をオデスにさせること。催眠術によってオデスとミドは互いに愛し合うように仕向けられていた。そしてミドは大人へと成長した、オデスの娘であった。その事実を知り発狂するオデスであったが、ミドが今まさにその事実を知らされようとしていると知り、這いつくばり靴をなめ、舌を切り、ウジンに決して言わないでくれと懇願する。復讐を果たし笑うウジンだったが、ミドへ告げるなと命じた後、復讐を果たした今俺は何のために生きればいいと自殺する
 その後、どこか雪山でオデスは催眠術師に過去の忌まわしい記憶をすべて消すよう依頼する。冒頭の一文に心を動かされたと催眠術師は依頼を受ける。倒れ伏すオデスを見つけたミドが抱き起し、愛してると告げると、オデスは泣いているような、笑っているような表情になり終わり
 作品全体にまとわりつく生々しさと気持ち悪さに圧倒される。雰囲気がおぞましい。生きたものが食いたいと言って生ダコを踊り食いしたりするシーンや、双方ふらふらによろけながら喧嘩をしたりとか、そういったスタイリッシュな復讐とは程遠い描写はそもそもこの作品が主人公が敵に復讐するといった一本道の作品ではないことを支えているような気がする。また、オデスは口数が多すぎるというウジンの言葉など、後からそういう意味だったのかとわかる描写が上手く織り込まれていた
 一方作品として見やすくないのがちょっと引っかかった。序盤の興味を持たせる始まり方から解放まではひきつけられたが、そこから終盤ウジンと直接対峙するシーンまでの間はどうも見づらい。過去の自分の犯した罪を現在の自分が追いかけ、追想するシーン(過去の自分の行動を現在の自分が見失ってしまう=罪を覚えてすらいない)の描写はよかったけど、それ以外はシーンを並べて進めたような構成で、シーンとシーンのつなぎが断絶していたように思えた
 あとこれは好みによるんだろうけど、催眠術というある種フィクションの禁じ手のような技でこれまでの行動と復讐、そして結末を説明したのが好きじゃなかった。でも催眠術を持ちだしてからのお前が過去の罪を忘れたのは催眠術なんかじゃなく、単にそれが他人事だったからだという流れはよかった
 結末についてはどうなんだろうか…結局過去を捨ててミドと生きていくというのは、ウジンが最後に語った、俺たちは覚悟をもって愛し合っていたがお前はどうかなという復讐から逃げてしまったように思える。事実を告げず姿を消すか、あるいは事実を胸にしまい一生罪と向かい合って生きていくか、そういった覚悟のようなものもなく、罪を消してしまうのも一つの解答なんだろうか
 あまり万人に面白いよと勧められる作品ではなかったけど、陰鬱で生々しく救われないという作風を受け入れられるなら、見るべきところの多い作品だった。復讐する側だったはずの主人公が実は復讐される側だったというどんでん返しのラスト30分や、過去の罪というテーマがよかった

復活の日

2020年4月12日 映画
 なんとなく目に入って視聴したらある意味タイムリィな作品?
部隊は米ソ冷戦期1980年代。細菌兵器として作成されたMM88が事故により世界中に蔓延。これはあらゆるウィルスの毒性を強化し、風邪ですら致死の病となる驚異の兵器であり、人類はわずか数ヶ月でほぼ全滅した。しかしこの細菌兵器が零度以下では活動停止するという特性により、南極にいた各国の調査隊のみは感染することなく生き延びていた
 空気中のウィルスを採取してワクチン製造を試みるなど、再び南極の外へ出る方法を模索する調査隊であったが、地震予知の研究をするヨシズミによって、ワシントンにM8.5~9レベルの地震がおそらく起きると発覚。仮に地震が起きればアメリカの自動核報復装置が誤作動→ソ連の報復装置が作動→南極の基地も秘密研究施設と疑ってたので対象となり核攻撃により全滅することになり、それを阻止するべくヨシズミとカーターの2人はウィルスの中決死の覚悟で突入する…というお話
 最初はウィルスをどうこうして人類再建かと思っていたのに物語開始時で南極の八百数十人を残して全滅なので恐れ入る。しかも全滅するまでの世界中の暴動や病院の大パニック、死体焼却に戒厳令と徹底的に克明に描かれているので現実のコロナウィルスを思わせることも相まって気が滅入ることこの上ない。ヨシズミの恋人が友人の家を訪ねてからの流れとか陰鬱すぎてしばらく視聴中断した
 反面、後半のミサイル発射阻止のパートからはなんかぐだぐだというか行き当たりばったりというか、ツッコミどころが多かった。そもそも軍事施設入り込んで発射阻止の操作しないといけない時点で行くべきは米国の軍人だろうに、なんでカーターの助手がヨシズミなんだ。や、主人公としてヨシズミが主軸だからキャストとしてはわかるんだけど、そこに作中の説得力を持たせてくれよと。案の定カーターが不慮の事故で動けなくなったために、何すればいいかわからないヨシズミがパネルの前でわたわたしてたらミサイル発射されてしまった。ここほんとにえぇ…ってなった。発射阻止して人類はまた歩んで行けるんだってオチかと思ったら二度目の全滅となったって字幕入ったからね。復活しろよ
 あと南極外の人類はワクチンの作り方がまったくわからなくて死滅するんだけど、南極の博士は採取して1ヵ月足らずで効果は保証できないとか言いつつ完璧なワクチン作成しちゃうんですよ。上陸直前に注射してばっちり生き残れるぐらい完璧。放射能当てたら出来たわとか言ってたけど、少なくとも南極の基地レベルの施設で1人で出来るものを世界中の研究者は誰一人作れなかったのか…?と疑問に思った
 結局一人になってしまったヨシズミは、万が一に備えて基地から避難させられた人々を探して南へ歩き続ける旅に出る。ここはとにかく切実で背景の広大さと人の小ささとBGMの美しさが一体となって、何とも言えないはかなさを感じた
 物語はわずかな集落レベルになってしまった避難民の中のヒロインとヨシズミが再開して終わり。うん、これもまぁ美しいっちゃ美しいんだけど、真っ先に出た感想は復活できてねーじゃねーか!だった。老若男女合わせて30人弱じゃもう絶滅を待つばかりじゃないか…
 感想としては、全体的には間違いなく面白い。2時間半ぐらいあったけどほぼノンストップで見るぐらい力強さと魅力がある。こまごましたエピソードや人間関係省いちゃったけど、メインシナリオをどっしり支えて引き立てる濃密な展開が続くんですよ。あと風景がいい。雄大な海や生き物を存分に映し、作品の空気をより一層味わい深くしている。それだけに後半の展開が個人的に惜しい。同じ阻止失敗でも本編のはもうちょっとやりようあっただろとツッコんでしまうので、あぁ失敗したという絶望感ではなくえぇ…という呆れが先に来てしまった。あとはやっぱり、希望のある終わり方が見たかった。タイトル通り復活を予見させるようなオチにしてくれればもっとすっきりした気持ちでエンディング見られたんじゃないかなぁ…このあたりは完全に好みだろうけど

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